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がむしゃら1500キロ わが青春の門出

バイクで走る人

がむしゃら1500キロ

がむしゃら1500キロは浮谷東次郎の書いた書籍であり、驚くことにかむちゃた1500キロを執筆したときの彼は16歳なのである。
僕が16歳の時にこのレベルの作品が執筆できるかと聞かれたら迷いなくNOと答えるであろう。

浮谷東次郎は中学3年生の時に市川市から大阪市までをオートバイに乗って旅をしたのである。
当時彼が運転したのはドイツ製の原付である50ccのクライドラーだ。

そんな市川市から大阪市へのクライドラーでのツーリングの様子をまとめたのがこのがむしゃら1500キロである。
道中体験したことや、出会った人についてが記載されている。

当時の時代背景から思うこと

今は中学生がバイクや原付に乗ることは許されない。
しかし大人であればお金持ちでなくても、一般人がバイクに乗ることができるような環境になっている。

しかし浮谷東次郎が生きていた時代というのは今の時代とは少し背景が異なる。
基本的に戦後間もない時代であり、庶民はオートバイに乗るということ自体が難しい時代だったのである。
そのためバイクに乗ることができたのは金のある人たちだけであった。

さらに道路も今のようにしっかりと舗装されているような状態ではなく、大きな道路であっても砂利道がデフォルトであった。
そんな道の悪い場所をオートバイで彼は走ったのである。

スイカ売りの少女

上記で書いた通り、原付当時乗れたのはお金を持っているものだけで実家が裕福だった浮谷東次郎ももちろん金持ちという立ち位置なのである。
そうでなければこの旅は実現しなかったのだから。

浮谷東次郎は旅の旅の途中にスイカを売っている少女に出会ったのだ。
スイカを売っているということは季節は夏であり、少女は熱い夏の日にスイカを売っているのである。

それを見た浮谷東次郎は、少女が暑い中頑張っているのに自分は何をしているのかと自分を恥じるシーンがあったというのだ。
自分と他人を見て自分がしていることを恥じることができる人間であったことが分かる。

自分の力で

何度も言う通り、浮谷東次郎という人間は生まれた環境が恵まれており庶民よりも裕福な生活をして過ごしてきた。
しかし彼は一般的な金持ちのボンボンのイメージとは異なる人間なのである。

実際彼は中学生で長距離での旅を自分の力で達成している。
さらにこの先の彼の人生の中でも境遇に甘えすぎることなく自分でできることは自分の力でやって自分のやりたいことを楽しんでいるのである。

がむしゃら1500キロは彼のそんな性格を伺い知ることができる本となっている。
浮谷東次郎という人物を知る上で非常に重要な作品となっているので、彼が16歳で書いたことを理解した上で一度読んでみてほしい。

父がバイクに乗っていたので、この本に触発された僕は、いつか譲り受けバイクで一人旅を…と考えていたが、残念ながら1年前に売ってしまった。今ではオンラインでも売れるらしい。

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存外高く売れたらしく、上機嫌で家族を知床に連れて行ってくれたのは今でもいい思い出だ。