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ヨタハチに乗ってみない

希少なヨタハチ、価値も急上昇?

ヨタハチとは、トヨタが1960年代に製造・販売していた「トヨタ・スポーツ800」のことだ。
この車が近年になって再評価が進んでいるらしく、中古市場でも価格も高騰している。
なんでも、1000万円を越えることも珍しくないらしい。

もともと車好きの間では安定した評価を得ていた車だったが、ここにきてその評判がワンランク上のレベルに達しつつあるようだ。
昔の国産車全般の中古市場の価格が上昇している状況なので、ヨタハチに関してもその波に乗っている面もあるわけだが、他の旧国産車と違ってより広い範囲、例えば若い世代から高い評価を得ているのが特徴になっているらしい。

ヨタハチの仕様とその魅力

どうしてヨタハチがそんなに人気を得ているのかというと、実物の写真を見れば多くの人に納得してもらえるのではないだろうか。
独特の丸みを帯びたライン、「丸目」などと言われる大きくて丸いヘッドライト、そしてコンパクトなサイズ、ひとことで言えば「かわいい」のである。
しかもそこに1960年代というレトロな雰囲気も加わっているので、「レトロかわいい」だ。
ひと昔前まで、ヨタハチと言えばノスタルジックな雰囲気が魅力なんて言われていたが、このノスタルジック&レトロな雰囲気が時代がひとまわりもふたまわりもしたことで、かえって新鮮な「かわいさ」を身につけるようになったらしい。

もちろんその魅力はデザインだけではなく、発売当初から高い人気を博していた「軽さ」こそ、ヨタハチの最大のポイントと言えるだろう。
自動車でありながら、最高出力がわずか45馬力、排気量は800cc。
この仕様だけ見るとなんとも非力な印象を与える車だが、車体重量はわずか580kg、しかも当時のトヨタの技術力の粋を結集した走行性を持っている。

とくにその丸みを帯びたデザインによる空気抵抗の少なさは、高い評価を受けていた。
パワーはないけど軽やかで軽快な走りを楽しむことができる、この点で現在でも高い評価を受けたのだ。
現在の車・バイクではパワーがもてはやされる面がある一方、軽快で心地よい走行性を備えたモデルにも注目が集まる傾向が見られる。
このヨタハチは、そんな次代のニーズに50年近く前に答えていたということになるのだろう。

なお、仕様については基本的な部分は当時ひと足先に開発・販売していたトヨタの小型車パブリカを流用しつつ、それを強化する形が取られている。
パブリカは大衆車として売り出した車だったので、このヨタハチはその路線をさらに大胆に推し進めたモデルだったということになる。

このように、時代がひとまわりもふたまわりもしたことで時代が再びヨタハチを求める状況になっているのかもしれない。
また、ヨタハチそのものが時代を超えた魅力を備えているのもあるのだろう。
今後、ますます評価と価値が高まっていく可能性も高い。