浮谷東次郎展の企画展について
浮谷東次郎は、千葉県出身のレーサーだ。
1964年に行われた日本グランプリの第2回目に出場したのがレースデビューとされていて、まさに日本のバイクレース界の盛り上げに大きな役目を演じた人である。
トヨタに所属していて、コロナでスタートしてからさまざまなレース仕様の車に乗ってきた。
当時は複数のレースカテゴリーがあって、浮谷東次郎はオールマイティーな才能を発揮して、幅広いカテゴリーで好成績を残したきたのが印象的だ。
たとえば、GT-1クラス選手権やクラブマンレースなどに参戦してきた。
その実力は国内だけに留まることなく、世界に進出するようになる。
フォーミュラカーを使うレースにもで始めると、安定した走りを見せて常に上位に食い込むような強さを発揮する。
本人は本当にクルマ好きで、プライベートでもホンダのS600を自分好みに改造して乗っていて、その車を使ってレースに出るなとしている。
まさに天才とも言えるレーサーだったが、1965年に練習中の不幸な事故によって、わずか23歳という若さで亡くなってしまった。
日本におけるレース創成期のスタートも言える天才のあまりにも早い死に、たくさんの人が衝撃を受けることになったのである。
その浮谷東次郎の功績と魅力を伝えるべく、2015年に名古屋で彼のことを偲ぶ企画展が開催された。
当時何回も出場していた船橋サーキット場の様子を映し出したモニターや、彼が使用していたマシンなどが展示されていて、浮谷東次郎の愛した当時のレースの様子を振り返ることができた。
浮谷東次郎に縁のある車やバイク・資料が並ぶ
この名古屋で開催された浮谷東次郎展では、彼が乗っていたトヨタスポーツ800が大きな存在感を放っていた。
1960年代に作られたレースカーの雰囲気を感じると共に、浮谷東次郎が付けていたカーナンバー20を見て、当時を思い出した方も多かったはずだ。
こうした車と共にその時代に活躍したレース仕様の車やバイクの数々も展示されていたり、資料で示されていたりした。
さらに、浮谷東次郎がレースで勝ち取ったトロフィーやメダル、当時の様子を伝える雑誌や新聞なども一つのコーナーに飾られていた。
浮谷東次郎はレース雑誌などに定期的に寄稿していて、自らのレースの様子やレース界そのものについてのコメントを残している。
その手書きの原稿なども資料として展示されていて、当時の様子を知ると共に浮谷東次郎の人となりを理解するのに役立つ。
企画展では、大型のパネルを用いて浮谷東次郎の歴史をまとめている。
わずか23年という短い生涯にも関わらず、壁いっぱいのパネルにぎっしりとその歴史が刻まれていて、いかにすごい人だったのかを知ることができる。