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バイクでも義務化されたOBD

そもそもOBDとは何?

2021年に、バイクでもOBDが義務化された。
自動車では一足先に行われていたのだが、ついにバイクにも導入された形だ。
このOBDとは「オン・ボード・ダイアグノーシス」の略称で、「自己診断機能」とか「車載式故障診断装置」などといった日本語が使われることもある。
簡単に言えば、電子制御装置に異常や故障が見られないかどうかを診断するための装置だ。

現代の自動車・バイク業界ではハイテク化が進んでおり、安全運転を実現するためのさまざまな最新装備が搭載されるようになっている。
自動ブレーキなどは、もっとも広く進んでいる装置だろう。
これらはドライバー・ライダーの安全を確保してくれる非常に優れた装置なわけだが、さまざまな事情によって故障が発生することもある。
そうしたデータを記録し、広く共有することによってそれを車・バイクの整備に役立てようという動きが世界的に進んでおり、このOBDはそれを実現するための装置なのだ。

なお、正式にはOBDⅡが現在広く使用されているフォーマットだ。
以前はメーカーによってフォーマットが異なっており、データの記録や共有に支障をきたしてしたのだが、2000年頃に統一した規格となるOBDⅡが登場、現在ではこれが主流となっている。
バイクに関しては、2020年12月以降の新型車にこのOBDⅡが装備することが義務付けられている状況だ。
そのためそれ以前に購入したバイクには装備されておらず、「そんなものあったっけ?」と首をひねる人も多いかもしれない。

将来的には車検に導入されるかも

このOBDⅡに関しては、将来的に車検に導入されることも重要なポイントとなっている。
バイクに関しては2024年10月に導入されると言われており、それ以降はこれまでとは車検の手順が変わってくる可能性があるのだ。
このOBD車検では電子制御システムをスキャンツールを用いてチェックされるらしく、検査対象となる装置も非常に多岐にわたることになっている。
例えばABS(アンチロックブレーキシステム)、オートライトシステム、ふらつき注意喚起装置などだ。

まだ導入前なのでどの装置が最終的・将来的に検査対象となるかは未知数な面があるらしい。
いずれにせよOBDが車検に導入されることによってよりチェックが厳しくなるのは間違いないのだろう。
運転支援や事故防止のための最新技術は、ぼくたちの運転を安全なものにしてくれるが、誤作動を起こしてもよくわからないという問題点も抱えている。
あまりにも技術が高度すぎて、ドライバー・ライダーが理解できないブラックボックスのような状態になっている面もあるわけだ。

そうした装置に頼って運転していると、その頼みの装置が故障して作動しなかったり、誤作動を起こすような状況だったら安全どころかかえって危険になってしまう恐れがある。
その意味でも、OBDの義務化や車検への導入は避けられないものなのかもしれない。
ただ、このOBDの義務化・車検への導入が新車価格や車検価格の上昇に結びつく点が指摘されているのが、ちょっと懸念材料といえるだろうか。